熱中症

奈良県の五條市と大淀町、和歌山県の橋本市にある調剤薬局です。病院や診療所からの処方箋の受付、OTC薬を販売しております。在宅訪問やお薬の相談も薬剤師が丁寧にご説明いたします。

熱中症について

近年、日差しが強く気温が異常に高い日が続いたり、熱帯夜などが増加しております。
マスクを着用することによって、呼吸しづらくなったり熱が体内にこもってしまう可能性があります。
正しい知識を身につけ熱中症予防を心がけましょう。

 

熱中症の詳しい予防情報サイトのリンク先です。
 ↓
環境省 熱中症予防情報サイト
暑さ指数(WBGT)予報や予防のマニュアルなどがあります。

1.熱中症の予防について

熱中症にならないようにするには次のことに注意しましょう。

 

@暑さを避ける
 ・日陰を選ぶ
 ・風通しの良いところを選ぶ
 ・涼しい時間帯を選ぶ
 ・テント、すだれ、カーテンで直射日光を避ける
 ・帽子や日傘を使う

 

A服装に工夫
 ・通気性、吸水性のよい素材を選ぶ
 ・黒色の服を避ける
 ・ネクタイ、襟のつまった服はゆるめる
 ・休憩中に衣服や防具をゆるめる

 

Bこまめに水分補給と塩分補給
 ・のどが渇く前に水分補給
  →「3.水分補給の方法について」も読んでね。

 

C体を暑さに慣らす
 ・暑さに慣れるまで、活動は短時間にする
 ・急に激しい活動をせず、軽めの活動から始める
 ・急に暑くなる日を避ける

 

※特に予防の必要な人
 ・高齢者、肥満の人、子供、赤ちゃん
 ・普段から運動をしていない人、暑さに慣れていない人
 ・朝食を抜いた人、寝不足の人
 ・前の晩に飲みすぎた人
 ・疲労、発熱、かぜ、下痢など体調の悪い人

2.応急措置の方法を知っておこう

画像をタップすると掲載先へジャンプします。


(※環境省 熱中症予防情報サイトより掲載)

3.水分補給の方法について

体内の水分量の違いと体からの出入り
年齢などにより人間の体内の水分量(体液)には違いがありますが成人で約60%です。
1日に水分量は変化し、食事などによって入ってくる水分と尿や汗などで出ていく水分量(体液)はバランスをとっています。
暑い日や激しい運動により汗を大量にかいてしまうとバランスをとるために同じ量を水分補給する必要があります。

 

体液の水分と塩分のバランス
人間の体液は水分のほかに塩分も含まれおり、ふだんは水分と塩分がバランスをとっています。
水分補給と言っていますが、大量に汗をかいた場合などはただの水だけを摂取しても塩分もとらなければ体液が薄まってしまい余分な水を出そうという働きが進み、脱水状態になってしまいます。
汗を大量にかくと水分と塩分の両方を多く失っていますので注意が必要です。
(汗をなめるとちょっとしょっぱいですよね?塩分も体外に出てしまっています。)

 

水分と塩分の役割
水分の役割
 ・体温調整
 ・酸素、栄養素、老廃物の運搬
 ・血液の粘度の調整など
塩分の役割
 ・体液のバランス調整
 ・神経や筋肉の機能調整など

 

汗を多くかいた時の水分補給の種類と量
通常の状態では水やお茶での水分補給で問題ありませんが、スポーツなどで大量に汗をかいたときは塩分も含まれているドリンクを飲んだ方が良いでしょう。
市販のものでは?
 ●スポーツドリンク
 ●経口補水液(ORS)
経口補水液(ORSは)とても身近な成分でできています。
非常時などは自分で作ってみましょう。

水:1リットル
塩:3g(小さじ1/2杯)
砂糖:40g(大さじ4と1/2杯)

 

飲む量は?
汗で失われる水分量
 =運動前後の体重差
1度に飲む量は
 コップ1杯(100〜200mL)
少しずつゆっくりと

4.どうして熱中症になるの?

熱中症を引き起こす条件は「環境」と「体調」に関係していると考えられます。
この2つの要因で体の熱の放出が熱の産出に追いつかなくなったときに熱中症になってしまいます。
1.環境の要因
◆高温
  真夏日が続く
  気温が異常に高い(36℃以上)
◆多湿
◆風が弱い
◆日差しが強い
◆輻射熱(放射熱)の上昇

 

えっ!こんなとこで・・・
  ・プール
  ・夜寝てるとき→熱帯夜

 

2.体調の要因
◆激しい労働や運動により体内に多量の熱が産生される
◆加齢などによる放熱能力の低下
◆子供など体力が低い
◆体調不良
◆暑い環境に体が対応できない

 

これらの2つの要因により熱中症を引き起こす可能性があります。

 

暑い環境下などで活動を続けると熱の産生により体温が上昇します。

    ↓

「体温調節機構」が作動し発汗による汗の蒸発や皮膚の温度調整で熱を外気へ放出します。

    ↓水分補給をせず放置

大量の汗が出て体液(水分と塩分)の減少による脱水症状になります。
体温調整機構が崩れてしまい著しい体温の上昇を引き起こします。

    ↓

熱中症!!
 めまい、頭痛
 吐き気、意識障害など

乳児・幼児・小児における熱中症

乳児・幼児・小児は体の特徴や体に起きていることを上手く伝えることができないため熱中症に特に注意が必要です。
親や周りの人が早めに気付き予防してあげることが大切です。

 

体の特徴
 ・体温調節機能が十分に発達していない
 ・発汗機能や腎機能が未熟なため体温が上昇しやすい
 ・身長が低い、ベビーカーに乗っていると地面からの照り返しによる気温が高い
 ・子供は汗もかきやすく大人よりも水分が出ていきやすい
 ・子供の水分量は大人より多い
   成人の水分量:60%
   乳児の水分量:70〜80%
   幼児の水分量:65%

 

初期症状のチェックポイント
乳児
 ・顔がいつもよりも熱く赤い
 ・ぐったりとして元気がなく、何となく機嫌が悪い
 ・泣き声が弱々しい
 ・普段より母乳やミルクを飲みたがる
 ・たくさん汗をかいている
 ・おしっこの色が濃い,出ない
幼児・小児
 ・口や鼻が乾いている
 ・目をしょぼしょぼさせている
 ・舌の表面が白っぽくなっている
 ・皮膚がカサカサしている
 ・手が冷たい

 

予防
 ・顔が赤かったり、汗をたくさんかいているように見えるときには、涼しい環境下で十分休息する
 ・放熱しやすい服装を選択し、環境に応じて衣服の着脱をする
 ・水分・塩分をこまめに飲ませましょう
 ・日頃から適度に外で遊ばせ、暑さに慣れさせる

 

どんなものを飲ませたらいいの?
下記を少しずつ複数回飲ませるようにしましょう。
乳児(1歳未満)
 ・母乳、ミルク、ベビー麦茶
 ・経口補水液(ORS)
幼児(1歳〜7歳未満)、小児(7歳〜15歳未満)
 ・麦茶(ノンカフェイン)
 ・スポーツドリンク
 ・経口補水液(ORS)

 

他にも、脱水状態!
下痢・嘔吐・発熱の時にも水分・塩分を多く排出しています。
十分に注意し水分補給をしましょう。
症状がひどい時は病院を受診しましょう!
 □3ヶ月未満:38℃以上の熱がある
 □3ヶ月以降:39℃以上の熱がある
 □嘔吐が続いている
 □1日6回以上の多量の下痢がある
 □血便がある
 □皮膚・口・舌が乾燥している
 □機嫌が悪い、ぼんやりしたり、眠りがち、気を失う
 □顔色が悪い
 □尿量が減る、尿の色が異常に濃い
 □水分補給できない

高齢者における熱中症

高齢者の方は体の特徴や習慣により熱中症に特に注意が必要です。
他人事とは思わずに早めの予防が重要です。
体の特徴 
 ・喉の渇きを認識する感受性が低下している
 ・生理機能や体温調節機能が低下している
 ・気温に対して鈍感になっている
 ・体内の水分量が少ない
   成人の水分量:60%
   高齢者の水分量:50〜55%

 

習慣
・エアコンがあっても効きすぎるのが嫌で使わない
・夜間トイレに起きないように水分摂取を控える
・防犯のため窓を閉め切っている

 

予防
・初夏から体を順応させる
・こまめに水分と塩分の摂取を行い、脱水を予防する
  (コーヒーやお茶 アルコールには利尿作用があるのでかえって水分を排出する可能性があります。)
・部屋の室温&湿度をチェックする
・1日1回、体をしっかり冷却し体温を正常化させる
・就寝前、朝起きた時にコップ1杯の水分補給